『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスには、ちょっとした可愛いらしさを見出せる。ミスタービーンに実際に遭遇したら、なるだけ距離を置くだろう。滑稽噺によく登場する粗忽者は、現代でいう解離性障害とも聞くが、やはりどうも危なっかしく見える。
何かしら欠落しているものは、それを見る距離感次第で、怖くも面白くも、あるいは愛おしくもなる。
「怖い話」となると、どうも難しい。
稲川淳二の怪談をよく聴くけれど、話し方も声もストーリーとしての面白さも含めて娯楽作品だと思う。
あの聞き取りづらい話し方が、聞き手の怪談への積極性を促し、想像力で不気味さを補完させる。あるいは、あの話し方が面白いともいえる
昔「大幽霊屋敷〜浜村淳の実話怪談〜」というプレイステーションのゲームを持っていた。
これは関西の大御所タレント浜村淳が語る怪談を、ただひたすら聴き集めるという奇天烈なゲームである。
浜村淳の語りが稲川淳二の話芸とは対極にあり、淀みのない、立て板に水の関西弁で抑揚の効いた怪談を生み出していくのだが、プレイステーションのチープで荒い画像や、申し訳程度のミニゲームと相まって、怖くて笑える珠玉のソフトである。
結局「怖い話」も、「怪談」となると別に怖くなくて、実際の事件とかニュースを伝え聞く方がよっぽど怖い。
Youtubeに前述の浜村淳の怪談があった。おそらく全部あがっている。
やっぱり、上手いなあ。上手すぎて面白い。稲川淳二とは比べられない。
このゲームの録音風景を想像するとさらに笑える。
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